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2005年07月17日
「自分の年金は自分でつくる!」(実業之日本社、1500円)

2004年の二月に伊藤宏一と私、そしてさわかみ投信の澤上篤人さん、エコノミストの真壁昭夫さん、投資顧問会社勤務の平山賢一さんの五名の共著で「自分の年金は自分でつくる!」(実業之日本社、1500円)という本を出版しました。この五人は月刊誌「インベストライフの編集委員仲間です。我々、毎月、編集会議で議論を続けるうちに年金問題についてある結論に達するようになりました。
たとえば、
1.これからは政府や企業におまかせしておけば老後は面倒みてもらえると考えるのは幻想である
2.年金としてもらえる金額だけでは生活はできない、お小づかい程度と割り切るべき
3.若いうちから将来のために蓄えを作り始めるほど負担が少なく十分な資金を準備できる
4.そのためには毎月、お金が余ったら貯蓄や投資をするのではなく、最初から一定額を貯蓄や投資に回し残った資金で生活することが必要である
などの点です。
そこへちょうど出版社からこのテーマに沿った単行本をだしたいとの依頼があり、五人とも喜んで一気に書き上げたのがこの本なのです。その内容は以下のようなものです。
第一章 これからの老後資金は「攻め」と「守り」で考える(伊藤)
第二章 そもそも年金って何?これからどう用意していこうか(平山さん)
第三章 DIY年金運用の実際 - 手づくり年金運用はプラン、ドゥ、チェックのサイクルで(岡本)
第四章 個人投資家の利点を最大限に利用しよう(真壁さん)
第五章 長期運用を貫くための「投資の心理学」(真壁さん)
第六章 経済と長期運用と自分の年金づくりと(澤上さん)
それぞれの著者が各章を担当して書いています。執筆陣は「自分の年金は自分でつくる」という大きな考え方で一致しており、それぞれの専門的な角度からのアプローチによって、各章のテーマが浮き彫りになるようにしています。もちろん全員の意見が一致していない部分もあります。でも、このような意見の違いを自由闊達に議論しあうのが我々のいつもなのです。
岡本は第三章を担当しています。この章では、具体的な投資運用の方法論について説明しています。まず、地球から打ち上げられたロケットが、月に行くことを考えてほしいのです。アポロ13号のようなものです。ロケットは地球から、細心に計算された方向に向かって打ち上げられ、軌道に乗って月へと向かっていきます。そしてそのまま何事もなく月面に着ければ、めでたし、ということになるわけですが、実際にはいろいろ予期しないことが起こります。システムにトラブルが起きて、地球との交信が途絶える、機体の一部が故障する、乗組員が病気になる、その他、ありとあらゆることが起こりうるわけです。月への旅ではそれらに対処しながら、最終目的地である月に到着する確率が最大化できるように努力を続けていきます。アポロ・プロジェクトが成功した当時、「システム工学の勝利」と賞賛されたものです。
70年代になってこの「システム工学的」なアプローチがアメリカの年金運用の分野で活用されるようになりました。長期的な目的のために運用をして行くのですがその途中で色々な事件が起こります。予期しないできごとのなかでコントロールできることを最大限にコントロールしてゴールに到着できる確率を常に最大化して行く。私の章ではこのようなアプローチを使って個人投資家が自分の年金をつくるときにどのようにしたら良いのかをやさしく解き明かしています。
具体的には
1.プラン→ドゥ→チェックというサイクルを繰り返して行く時の留意点
2.年齢と共にリスクをどのようにコントロールして行くか
3.株式や債券でポートフォリオを作る際にどんな方法があるのか
などについて触れています。
実際にプロの世界で行われている合理的な方法を個人でも使えるように説明することを心がけました。私はこれをDIY(Do-It-Yourself)年金運用と呼んでいます。私のいままでの著書はほとんど専門家向けのものばかりでした。今回が初めての一般投資家向けの本です。表現はやさしくしてありますが、内容的にはプロの知識を噛み砕いたもので、かなり高度なものであると自負しています。
投稿者 岡本和久 : 2005年07月17日 11:27


