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2005年12月05日
2005年12月5日
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☆★☆★ 伊藤宏一からのメッセージ ☆★☆★
お金との関係を美しくする 第五話 「組曲」の美学
月刊誌「インベストライフ」で来年連載する「スローアートのクラシック」のテーマ
を「組曲」にしようと決めて、いま組曲の勉強をしています。組曲というとすぐに思
い浮かぶのが、「くるみ割り人形」の組曲のように、バレエなどのとてもいいメロ
ディーを集めたものですが、音楽の歴史を少し調べてみると、原型はかなり違ってい
ます。
クラシック音楽の世界で古典組曲というと、例えばバッハのフランス組曲やイギリス
組曲があります。これら古典組曲では、異なった国の民衆の踊る舞曲の組合せを「組
曲」と呼んでいました。最もベーシックには、ヤコブ・フローベルガーが確立したア
ルマンド・クーラント・サラバント・ジーグの組合せです。これは順にドイツ・フラ
ンス・スペイン(ラテン)・イギリスの舞曲の組合せなのです。厳かなアルマンドで始
まり、楽しく軽快なクーラントに移り、しっとりとした情感のあるサラバントに浸
り、そして早いテンポで動くジーグで終わるというのが、古典組曲のコアスタイルで
す。
組曲はイタリア語でパルティータと呼ばれていました。またクープランは、組曲をオ
ルドル、つまり「秩序」と呼びました。異なる色彩の四つのリズムとメロディーが一
つのハーモニーという「秩序」を作るというわけです。
そしてこれにまた様々な舞曲が、色彩とリズム豊かに加わります。例えばフランスの
気品ある踊りであるメヌエット、フランスの農民の楽しい踊りガボット、そしてパス
ピエ、ブーレ、リゴードン、シャコンヌ、パッサカリア、ポロネーズ、シシリエン
ヌ、パバーヌ、ミュゼット、ロンド、エール、またプレリュードも‥‥‥。大切なの
は組合せの要素であるそれぞれの舞曲の本質を深く理解すること、そしてそれらの上
手な組合せのセンスです。
思うに、国境に接し国境を超えることが多いヨーロッパの生活の中で、こうした「組
曲」文化が歴史的に熟成されてきたという感じを持ちます。一国主義の直情径行的セ
ンスからは生まれない「成熟した感性」だという気もします。そしてこの「組曲」の
美学は、「成熟社会の生きるセンス」や「成熟した投資」にも生かせるものではない
だろうか、と思います。
ところでこの「組曲」の連載は、バッハを出発点にしてクープランに戻り、ラベルや
グリーグ、ドビュッシーやベルクを辿り、最後はピアソラやヴィラ・ロボスまで行こ
うと考えているのですが、うまくいくかどうか‥‥、とにかく書いてみようと思って
います。読んでいただければ幸いです。
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☆★☆★ 資産運用、「キホン」の「キ」 ☆★☆★
何でもバランスと調和が大切です
伊藤さん、音楽の話、快調ですね。私も昔、ギターでパルティータやソナタなどを弾
いたものです。異なった性格の舞曲が全体でまとまりのあるパルティータを構成する
のを聞くのは楽しいものです。そういえば、私も今年の5月から月に二回、ギターの
個人レッスンを再開しました。いつか伊藤さんのフルートとの二重奏を目指し
て・・・。
それはともかく、音楽でも全体のバランスと調和が大切。ポートフォリオも同じで
す。それぞれ違う個性を持った証券をバランスよく保有することでリスク・コント
ロールされた安定的なリターンが得られるのです。そのバランスを見る際にひとつの
基準になるのが時価総額構成比です。
時価総額というのは発行されている株数に株価を掛けたものです。つまり、いまの株
価で発行済みの株式を全部買ったらいくらになるかという金額です。例えば日本で時
価総額ダントツ・トップのトヨタ自動車の時価総額は21兆円。東証一部全体が489
兆円ですから、その比重は4%強です。プロの機関投資家の世界ではこの比率がメド
となって、トヨタ自動車に非常に強気の人は自分のポートフォリオの中のトヨタ自動
車の比重を、例えば6%などにするわけです。いくら良いと思っても全体の1割をト
ヨタ自動車にするのはあまりにリスクが高い。常に「もし、自分が間違っていたらど
うなるだろうか」という視点を持ち続けるのです。
これは世界の市場でも同じことが言えます。例えば日本株式市場の世界の株式市場に
占める比率は10%です。ですから、日本株に強気な外人投資家は日本株の比率を1
5%などとするわけです。ちなみにアメリカは約50%です。それではインド市場は
世界のどれぐらいの比重でしょうか?0.4%です。ブラジル(0.7%)、中国
(0.5%)、ロシア(0.3%)、どれも1%以下なのです。みなさんのポート
フォリオの1割がインド・ファンドなどになっているなら、それがいかに大変なこと
かお分かりいただけると思います。
伊藤さんのメッセージのなかの「大切なのは組合せの要素であるそれぞれの舞曲の本
質を深く理解すること、そしてそれらの上手な組合せのセンスです」という言葉はそ
のままポートフォリオ運用の真髄を示しているように思います。
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次回の配信は12月20日です。
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投稿者 岡本和久 : 2005年12月05日 13:57


