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2007年07月28日
岡本和久のI-OWA日記 2007年7月28日
安全ベルトをしっかりと
ニューヨーク市場の下げに続いて日本のマーケットも下げていますね。今日は休日なので少しおさらいしておきたいと思います。
日経平均 NYダウ
7月25日 -143 +68
26日 -156 -311
27日 -418 -208
27日の日経平均の終値は17283、今年2月の高値は18300(2月26日)、6月高値が18297(20日)、7月高値は18295(5日)ですから約1000円の下げです。NYダウは史上最高値が7月19日の14000ですから730ポイントの下落ということになります。暴落の原因は米国のサブプライム・ローンの問題、住宅バブルの崩壊などといわれています。
現在、世界には膨大な過剰流動性が存在し、それらがこれまで金融・実物資産の価格を押し上げてきました。この過剰流動性はITバブル崩壊後の米国の金融緩和と、90年代末からの日本の実質的なゼロ金利政策により供給されたものと考えられます。しかし、米国の金融政策は2004年以降、引き締めに転じ、すでに17回利上げをしています。日本も2006年以降、量的緩和の解除、政策金利の上昇が始まっています。つまり、かつて過剰流動性の供給源であった二本の蛇口のうち、一本は閉じられ、もう一本も出が悪くなっているというのが現状です。
2001年以降の過剰流動性はまず金価格の上昇に現れました。その後、原油価格が上昇に転じ、2003年ぐらいからBRICsを中心とする新興国の株式が高騰しました。経済のグローバル化により、新興国の経済状態がよくなり、生活水準が向上し始め、これらがさらに資源価格の上昇圧力を招き、また、環境問題などを起こしているのはご存知の通りです。
過剰流動性は、ヘッジファンドなどへも流入し、市場性の少ない投資対象の価格を高騰させました。しかし、過剰流動性はこれからどんどん増えるというよりは、減少に向かうことになるでしょう。途上国などでのインフラ整備なども大きなスケールで始まっており、資金が金融資産の投機(実物資産を金融資産化したものも多いですからね)から、社会資本へと向かい始めています。
そしてこのことは過剰流動性をもて遊んでいる人たちが一番良く知っていることです。そこで、みんな「逃げ足が速く」なっているのです。ちょっと「やばい!」と思ったらアッと言う間にみんな逃げている。しばらくたって「もう少し行けるかもしれない」となると、また、投機活動が始まる。それが今年の2月と今回の株式市場、6月の債券市場で起こっていることです。
世界の経済環境は悪くないものの、過剰流動性が収縮するという逆風が中期的には続く恐れがあると思います。ですから、このような金融資産価格の大きな変動はこれからもしょっちゅう起こる可能性があります。
日本についてひと言、付け加えておくと、日本の長期金利正常化がこの世界の逆風のなかで進展せざるを得ないということです。金利の正常化は不可欠です。したがって世界の市場のあとを付いていくという傾向はこれからも続きそうな気がします。
長期投資家としては「これまで何回も見た風景」に過ぎないのですが、短期、中期の投資家には苦しい時期がしばらく続くのではないだろうかと思っています。市場性の小さい限界的な投資対象や銘柄にはご注意を。「質への逃避」の時期です。乱気流が続きます。シートベルトはしっかりとお締めください。
投稿者 岡本和久 : 2007年07月28日 09:33
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コメント
岡本さんの世界経済の見方、参考になります。
投稿者 かわの : 2007年07月29日 17:38


