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2008年03月05日

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2008年3月16日(日)12時30分~16時30分
I-OWAマンスリー・セミナー@東京都千代田区永田町1-11-35全国町村会館2F 第一会議室 プログラム:「さまざまな投資手法~その1」(岡本和久)、「愛のデザイン」(伊藤宏一)、「和洋折衷型『物言う株主』の投資スタンス」(佐野順一郎氏、ダルトン・インベストメンツ㈱代表取締役社長)
☆外資系アクティビスト・ファンドの動向が注目されていますが、和洋折衷型『物言う株主』を提唱するダルトン・インベストメンツの佐野社長から直接、投資スタンスのお話を伺います。

2008年4月20日(日)12時30分~16時30分
I-OWAマンスリー・セミナー@東京都千代田区永田町1-11-35全国町村会館2F 第一会議室 プログラム:「東アジアのデザイン ~ 岡倉天心から学ぶ」(伊藤宏一)、「投さまざまな投資手法~その2」(岡本和久)、「投資信託業務の実際」(横山利夫氏、AIU保険会社、日本代表者、会長)
☆横山会長は、資産運用会社、販売会社、信託銀行と投資信託業界を構成する三つの業界で実務に携わってこられました。今回は投資家からなかなか見えない実務の現場のお話をいただきます。

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老荘に学ぶリラックス投資術(13)

カリスマ・シェフ、庖丁の話

名料理人、いま流に言えばカリスマ・シェフの庖丁(ほうてい)が王様の前で牛をさばいて見せました。見るみる肉が骨を離れてゆく見事な刀さばきを見て、王様は「神技(かみわざ)じゃ!」と感嘆の声をあげます。庖丁はそれを聞くと、刀をおいて王様にむかい、「恐れながら、いま、御覧に入れたのは技ではありません。技を極めた果てにあるものと言えましょう。タオなのです」と答えます。

そして庖丁は続けます。「この仕事を始めたころ、目にうつるものは牛の形でした。3年ほど経つうちに、牛の外形が消え、骨や筋が見えるようになりました。今では、もう、肉眼に頼ることもありません。牛に向かうと「神(しん)」が動きます。感覚や意識は動きを止めて、ただ、神の働きに任せる。そうすると、あえて意識的な努力をしないでも、天理によって牛の隅々まで切りさいてゆくことができるのです。この包丁を見てください。すでに19年も使い込み、数千頭の牛をさばきましたが、刃こぼれひとつせず、新品同様です」

牛の外形は株価です。株価を投資対象として売ったり買ったりするのは初心者の段階。しかし、正しい知識が身についてくると、牛の外形ではなく、外形を支える企業の価値や成長力が見えるようになります。良い銘柄を選んで長期投資する。これはかなり腕が上がったと言ってよいでしょう。しかし、現実にはほとんどの人が牛の外形を見て投機や短期投資をしているのです。

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☆★☆★ 岡本和久の資産運用、「キホン」の「キ」 ☆★☆★ 

業界の構図を知ろう

投資をするにはおカネがかかります。おカネを増やすための投資におカネがかかるのですから、この「水漏れ」を小さくすることは投資成功のカギともいえます。

(略)

投資信託も同様です。従来、投信会社は証券会社や銀行の系列会社として設立されてきました。多くの場合、これまで、系列の投信会社が作った投信をグループの頂点にある銀行や証券会社が販売をしてきました。つまり、投信会社は販売会社の影響下にあったのです。投信会社の収入は運用している純資産残高の一定の比率です。したがって、残高が増えないと企業としてやっていけません。では、残高を増やすためには何が必要か。グループの親分に少しでもたくさん売ってもらわなければなりません。当然、「親分、何を作ったら売っていただけるでしょうか」と聞きに行きます。親分は、「そうだなあ、他社で○○の投信を出してずいぶん売れているようだ。お前のところもやってみたらどうだ」という話になる。そして、その投信が出来上がると販売が始まる。投信会社もハッピーです。

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カリスマ・シェフ、庖丁の話

名料理人、いま流に言えばカリスマ・シェフの庖丁(ほうてい)が王様の前で牛をさばいて見せました。見るみる肉が骨を離れてゆく見事な刀さばきを見て、王様は「神技(かみわざ)じゃ!」と感嘆の声をあげます。庖丁はそれを聞くと、刀をおいて王様にむかい、「恐れながら、いま、御覧に入れたのは技ではありません。技を極めた果てにあるものと言えましょう。タオなのです」と答えます。

そして庖丁は続けます。「この仕事を始めたころ、目にうつるものは牛の形でした。3年ほど経つうちに、牛の外形が消え、骨や筋が見えるようになりました。今では、もう、肉眼に頼ることもありません。牛に向かうと「神(しん)」が動きます。感覚や意識は動きを止めて、ただ、神の働きに任せる。そうすると、あえて意識的な努力をしないでも、天理によって牛の隅々まで切りさいてゆくことができるのです。この包丁を見てください。すでに19年も使い込み、数千頭の牛をさばきましたが、刃こぼれひとつせず、新品同様です」

これは荘子にでている話です。このカリスマ・シェフの名前をとって料理用の刃物が包丁(ほうちょう)と呼ばれるようになりました。

牛の外形は株価です。株価を投資対象として売ったり買ったりするのは初心者の段階。しかし、正しい知識が身についてくると、牛の外形ではなく、外形を支える企業の価値や成長力が見えるようになります。良い銘柄を選んで長期投資する。これはかなり腕が上がったと言ってよいでしょう。しかし、現実にはほとんどの人が牛の外形を見て投機や短期投資をしているのです。

庖丁はそれでは「まだ、まだ」だというのです。どの企業が良いとか、どの分野が良いというのではなく、大きなマーケットのタオに任せることこそ成功の条件だと言っています。つまり、企業の本質を見て投資をすることは株価を売買するよりもずっと良いのですが、問題はふたつあります。ひとつはそのような銘柄を自分だけが発見できるかということ、そして、もうひとつは、その銘柄の株価が魅力ある水準にあるかどうかが自分で判断できるかということです。

株価の動きは予測できません。企業はどうかと言えば、確かに社会に付加価値を創造してゆく企業もたくさんあります。それがわかるなら、その企業に投資をするのもよいでしょう。しかし、もっと確実なのは、世の中の上場企業すべてが総体として生み出している価値の増殖を買うことです。日本も、他の先進国も、新興国もすべての上場企業に幅広く投資をしているのが、一番、無理がなく収益を上げる方法であると言えるのです。庖丁がいう「神」は投資で言えばマーケットのタオです。世界中の上場企業が営々として日夜生み出している付加価値を享受するインデックス運用です。

荘子にはこんな話もあります。罔両(もうりょう)というのは影の外縁にできるうすい影のことです。その罔両が影を批判しました。「お前さんは、歩いていたかと思えば立ち止まり、座っていたかと思えば立ち上がる。なんでそう自主性のない動きをするのだ」。影は、「お前はおれが主人の動く通りに動くと言って非難するが、本当かねえ。おれの主人にしたところで本当に自分の意志で動いているのか怪しいものだ。我々の主人だって他の何かによって動かされているのかも知れない。所詮、我々には、なぜ自分が動くのかはわからないのだよ」。

投機的株価の動きは罔両、短期的動きは影、そして、その実態である企業の価値だって本当は大きな世界経済全体の影響を受けているのです。世界中の個別企業を全部まとめて市場全体を長期で保有していればいいじゃないかということをこの二つのエピソードは暗示しているように思います。


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業界の構図を知ろう

投資をするにはおカネがかかります。おカネを増やすための投資におカネがかかるのですから、この「水漏れ」を小さくすることは投資成功のカギともいえます。典型的なのは株式売買をするときに証券会社に支払う委託売買手数料。これは証券会社の大きな収入源です。一般に取引金額に対するパーセントが決まっていてその金額を徴収されます。問題は、証券会社は投資家が儲けようが、損しようが関係なくこの収益を上げることができるということです。とにかく売り買いさえ頻繁にしてくれればそれでうれしいのです。そこのところを良く理解して証券会社と付き合うと、いままで気づかなかったことがわかるようになったりします。

投資信託も同様です。従来、投信会社は証券会社や銀行の系列会社として設立されてきました。多くの場合、これまで、系列の投信会社が作った投信をグループの頂点にある銀行や証券会社が販売をしてきました。つまり、投信会社は販売会社の影響下にあったのです。投信会社の収入は運用している純資産残高の一定の比率です。したがって、残高が増えないと企業としてやっていけません。では、残高を増やすためには何が必要か。グループの親分に少しでもたくさん売ってもらわなければなりません。当然、「親分、何を作ったら売っていただけるでしょうか」と聞きに行きます。親分は、「そうだなあ、他社で○○の投信を出してずいぶん売れているようだ。お前のところもやってみたらどうだ」という話になる。そして、その投信が出来上がると販売が始まる。投信会社もハッピーです。

販売会社は販売した投信の信託報酬の一部をもらいます。同時に多くの場合、販売手数料を取ります。ですから、理想的には投信の残高は高い方が良いが、一方で常に新しい投信に乗り換えてもらうとありがたいのです。新しい投信をだしたとします。幸いに基準価格が上昇します。そうすると、「このあたりでとりあえず利益確定してはどうでしょうか、新しいよさそうな商品もありますから」という話になります。不幸にして基準価格が下がってしまったとします。「前回のは残念でした。ちょっと予想外の展開でしたね。このまま持っていてもいいのですが、こちらの新しい商品に乗り換えてみてはどうでしょうか。その方が効率が良いのではないかと思います」などとセールストークをします。

この構図を見ると、なぜ、業界が次から次に同じような投信をだしてくるのかわかります。最近はこの構図もずいぶん改善しています。系列外の商品を販売する販社も増え、販売手数料のないノーロード型の投信も増えました。そして、何より販社に販売を頼らず、自分で売るという独立系の直販投信がではじめました。これはとても良いことで歓迎すべきことです。

投資を考える際に、誰がどこで、どうやって儲けているかというメカニズムを理解することは極めて重要なことです。

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投稿者 岡本和久 : 2008年03月05日 17:45

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