さまざまな投資スタイル

2008年11月 5日 14:23

● 投資にはさまざまなスタイルがあります。近年、運用の世界では投資スタイルを特化する傾向が強まっています。つまり、何でもできますというデパート型のスタイルから、私の得意とするスタイルはこれですという専門店型の運用が主流になりつつあるのです。さまざまな投資スタイルは大きく分けると四つに分けられます。大型株・小型株という分類と、資産株・成長株という分類の組み合わせです。しばしば、この分類は「スタイルボックス」などとも呼ばれます。

● 何をもって大型か、小型かを判断するかというと、時価総額を使います。時価総額とは、現在発行されている株式数と株価を掛けたもの、つまり、いまの株価で発行されているすべての株式を買い付けたらいくらかかるかという指標です。言い換えれば、株式市場が判断したその企業の価値であるといえます。この数値の大きい銘柄が大型株、小さい銘柄が小型株です。

● 資産株・成長株という分類は銘柄を選択するとき何に注目するかと関係しています。資産株というのは、バリュー株とも呼ばれますが、その会社が保有している資産と比べて株価が割安であると判断される銘柄を言います。一方、成長株、あるいはグロース株というのは、現在の資産の額よりも将来に向けての成長性に魅力がある銘柄です。どちらのアプローチが良いかというのは一概には言えません。むしろ、投資をする方がどちらのアプローチを得意とするかという方が正しいと思います。

● 事実、投資の達人たちはほとんど明確なスタイルを持っています。元祖、証券アナリストといわれるベンジャミン・グレアムが提唱したアプローチが資産株投資の源流です。徹底的なバランス・シート分析によりその企業の価値を分析する手法で、市場の動きや成長性は見ず、ひたすら株価が企業価値を大幅に下回る銘柄を買おうというスタイルです。

● これに対してフィリップ・フィッシャーは成長株投資の父とも呼べる人です。彼は、何十年も成長を続ける企業を見つけるノウハウを15項目の条件にまとめました。そこでは経営陣の優秀さ、営業力や高度な技術などが重視されています。フィデリティーのマジェラン・ファンドの運用者として一世を風靡したピーター・リンチも成長株投資の流れを受け継ぐ人です。

● 同じ成長株でも、ある人は大型成長株に、ある人は小型成長株に特化をしたりしています。資産株でも同じことです。これらの四つのスタイルは典型的な分類ですが、それぞれの強みを活かしつつ、独自のスタイルを打ち立てている達人もたくさんいます。有名なウォレン・バフェットは資産価値を基本におきつつ成長性も加味して独自のスタイルを作り上げています。ジョン・テンプルトン卿も、どちらかと言えば資産株派ですが、視野を世界に広げ、元祖グローバル投資のグルともいわれる人となりました。

● 資産株か、成長株かというのはファンダメンタル分析の応用方法の違いです。一方、ファンダメンタル面はあまり重視せずに、株価の動きに基づいて投資の判断するテクニカル分析もあります。また、クォンツ運用という計量モデルによる投資手法もあります。人間の判断はモデルを構築する過程でのみ使い、いったんモデルができたら後はモデルの指示に従って運用する。この手法の最大のメリットは人間の感情による判断のブレを排除できるところにあります。最後にインデックス運用はパッシブ(受け身)運用とも呼ばれ、市場と同じパフォーマンスを安いコストで得ようという手法で、年金などでは幅広く用いられています。いずれにしても、どのよう運用をするかはそれぞれの人の持つ特性に依存しています。一刀流と二刀流のどちらが強いかという議論ではなく、どちらにしろその道を極めた人は強いというのが真実なのだろうと思います。

2008年11月 5日 14:23 岡本和久 | きほんのき| コメント(0)

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