さまざまな相場格言

2008年11月20日 13:00

● 洋の東西を問わず相場に関する格言はたくさんあります。特に日本は江戸時代から米相場の伝統があり、相場に関する先人たちの知恵が凝縮されたような言葉がたくさん残っています。それらのなかで、どのような環境や時代でも通用すると思われるものを紹介しましょう。

● 投資で成功する最大のコツは常に大多数の人と逆のことをするということです。みんなが強気になるほど、自分は弱気になる。みんなが弱気になるほど、自分は強気になる。その点を強調した格言としては次のようなものが有名です。

「人の行く裏に道あり花の山」(一説に千利休の言葉といわれる)

「野も山もみないちめんに弱気なら、あほうになりて米を買うべし」(三猿金泉秘録)

「麦藁帽子は冬に買え」(ウォール街の格言)

● 投資家の心理を的確に捉えた格言も多々あります。

「もうはまだなり、まだはもうなり」(宗久翁秘録にある言葉)

「買いにくい相場は高い、買いやすい相場は安い」(日本の格言)

「腹立ち売り、腹立ち買い、決してすべからず」(宗久翁秘録)

「相場は群集心理の産物である」(メイナード・ケインズ)

「マーケットは最大多数の参加者にとってもっとも都合の悪いことが起こる場所である」(私がウォール街の古老から聞いた話)

● 投資戦略に関連した格言もたくさんあります。

「卵をひとつのかごに盛るな」(ウォール街の格言)分散投資を説く有名な格言です。私に言わせれば、かごを分散するだけでなく、かごを置いておく棚も分散すべきです。

「相場は暴落によって若返る」(日本の相場格言)
大暴落の後に続く相場は普通、それまでと大きく性格が異なります。

「いのち金には手をつけるな」(日本の相場格言)
要するにサテライト・ポートフォリオで損をしても、それをコア・ポートフォリオで補うようなことをしてはだめですよということ。

● 株価の動きに関する格言です。

「山高ければ谷深し」(日本の相場格言)
もちろん、逆も真なりで、谷が深ければ山も高いのです。

「閑散に売りなし」(日本の格言)
相場の低迷が続き、人気が離散。悪材料ばかりで好材料が見当たらない。そんなときは売りが出尽くした状態で、陰の極といえる。

「半値八掛け二割引」
1000円の株価なら320円が暴落時の下値メド。要するに三分の一。

● 米相場の極意を書いた三猿金泉秘録(牛田権三郎)という本に次のような文があります。

「三猿とは見猿、聞猿、言猿の三つなり。眼に強変を見て、心に強変の淵に沈むことなかれ。ただ、心に売りを含むべし。耳に弱変を聞きて、心に弱変の淵に沈むなかれ、ただ、心に買いを含むべし。強変を見、聞くとも人に語ることなかれ、言えば人の心迷わす。これ三猿の秘密なり」

株価の動きに眼を奪われないこと、周りのニュースにとらわれず超然としていること。そして、相場について語らない。本当に相場を知っている人は、その怖さを嫌というほど知っている。だから、得意になって相場を語るようなことをしないものです。

● 禅問答のテキスト、無門関に「非風非幡」という話がでています。それを読んで本間宗久は相場の極意、「三位の伝」を悟ったといいます。

「非風非幡」というのはこんな話です。ある日、風で寺の幡(はた)がそよいでいた。それを見て、ある僧は『幡が動いている』と言い、他は『風が動いている』と言い、二人は言い争いを始めました。二人は慧能禅師のもとに答えを聞きに行きます。禅師は『幡が動くのでもない、風が動くのでもない。動いているのはお前たちの心なのだ』と説いたといいます。

相場を動かすのは風(需給関係)だけでも幡(実体価値)だけでもない。それに心理が加わり三位が一体となって動いているのです。

● そしてこんな格言もあります。

「金のなる木は水では生きぬ、汗をやらねば枯れてゆく」
投資をするにも少しは勉強や自律心が必要です。しかし、本当の経済的自立は、投資だけで実現するものではなく、汗水たらしてまじめに働くことで可能となるのです。

2008年11月20日 13:00 岡本和久 | きほんのき| コメント(0)

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