トレンドとサイクル
2008年12月20日 18:37
● 海の表面の波はとても荒いものです。しかし、どんなに荒い波であっても、海底の奥深くを流れる潮流の影響を逃れることはできません。株式市場で日々、起こる出来事は表面の波です。株価の動きはその最たるもの。そして短期的な企業の動きと業績、中長期的な企業成長、そして、成長を支える長期トレンドとメガトレンド、これらは海の表面から底に至る海水の流れに例えることができます。長期投資家は表面の波に惑わされず、力強い長期的な流れに沿った投資をします。
● 私は現在の地球を取り巻くメガトレンドには三つの大きな潮流があると思っています。ひとつはグローバル化の進展による世界のフラット化、二番目が地球規模での人口構成の変化による社会・経済構造の変化、最後が今後、期待される我々の生活を大きく変える可能性を持つ技術革新です。これらは今後、何十年にもわたって続いていく超長期のトレンドです。いま、30歳の方が長期投資をはじめ、定年退職を迎えるときもまだ続いている潮流だろうと思います。
● 表面の波はトレンドではなくサイクルです。サイクルというのは循環。つまり、良くなったり、悪くなったり、上がったり、下がったりという繰り返しです。トレンドとサイクルという視点から2007年、2008年、そして、2009年の状況を考えてみると、トレンドは変化していないのですが、サイクルが一時的に逆方向に向かっていると言えます。なぜ、そうなっているかというと、過剰流動性が発生し、それにより資産価格が異常の水準まで押し上げられた。資産価値の上昇で資産効果が生まれ、過剰な消費が起こったからです。いま、それが正常化する過程にあり、そこで発生しているのが金融市場の混乱と景気後退なのです。
● サイクルのなかで投資をしている人にとって今はひどい状態です。とても投資に積極的になれる状態ではない。しかし、トレンドに投資をしている人にとってはそれがチャンスになるのです。5年先、さらには10年先を見据えれば現在は価値ある投資対象がバーゲンセール状態です。
● 世の中の誰もピンポイントでマーケットの底を当てることはできません。うまく当てることができたとしてもそれは偶然。スキル(技術)ではなくラック(幸運)なのです。ただ、長期の視点から見れば、いまは状況が悪いことは確かです。長期トレンドが続く中で一時的にサイクルが逆になっているのです。ですから、その期間に、時間をかけてコアになるポートフォリオを積み上げておけばいいのです。
● 「でも、この金融市場の危機で世の中どうなるかわからない。もしかしたら大不況になるかも知れない・・・。そんな不透明な環境で投資なんかしていいものだろうか・・・」、そう、思う方も多いでしょう。ごもっともです。しかし、この不透明感があるからこそ、良い投資対象がこの値段で買えるのです。不透明感がなくなったら、とてもこの水準では買えません。トレンドとサイクルをしっかりと峻別することがいま、次の成功への道なのです。
