新社会人のための投資入門(2)
2009年6月20日 13:06
<人的資本の金銭的価値>
債券は、普通、一定の金利を定期的に受け取り、満期には元本が返済されます。
したがっ て、債券の価値は、満期までの金利と償還金額を現在の価値に換算し、それを合計したも のです。株式は、普通は配当金をもらえます。しかし、その配当金は会社の業績によって 変動します。そして、満期はないので、配当金の永久に続く流列が株式リターンの本質で す。したがって、株式の現在の価値は、将来にわたる配当金の現在価値の合計ですが、そ の価値は大きく変動します。
新社会人が入社すると、最初は比較的低い報酬ですが、それが徐々に増加して、定年退 職の時には退職金がもらえます。したがって新社会人が持つ金融資産としての人的資産 の価値は、今後、もらえる給与と賞与、そして退職金の現在価値の合計であるといえます。
年功序列、終身雇用という慣習が消滅しつつある今日、人的資産は債券型から株式型に 変わりつつあると言ってもよいでしょう。また、職種によってもキャッシュフローの安定性は 違います。大企業の社員とベンチャー企業の社員などは対照的な例です。今後は、それぞ れのキャッシュフローのリスクを反映して、リターン(つまり報酬)も差が付いてくることだろう と思います。
いずれにしても、新社会人は人的資本の金銭的価値が非常に高いといえます。
それは今 後、働く期間が長いからです。そして、年齢を重ねるほどに、働く期間が短くなっていきます から、人的資産は減少していきます。それを相殺するために、金融資産を形成してゆく必要 があるのです。
ある意味、人生のなかの「働き」の時代というのは、人的資産を金融資産に変換していくプ ロセスでもあるのです。人的資本を有効に活用して、それを収入に結びつけ、その収入か ら将来のための資産を形成してゆく。人生の最後まで自立して生きていけるだけの資産を「 働き」の時代に準備する必要があるのです。
そこで投資が必要になるのです。それも短期で売ったり買ったりして儲ける投機や短期投 資ではなく、長い時間をかけた長期投資です。目標とする資産額を、いかに小さな価値の 変動で達成していくかが資産運用の目的です。新社会人は、「学び」の時代の後半にあり ます。その時期、今回述べたような人生にわたるおカネとの付き合い方を理解し、投資につ いても少しずつ経験を積んでいくのが大切なのです。新社会人のための資産運用の方法 は次回述べます。
