Wealth Management Conferenceに出席して

2010年3月20日 13:22

国際的証券アナリストの職業団体であるCFA協会が主催するWealth Management Conferenceが米国アリゾナ州のフェニックスにおいて開催されました。私は2005年以来、六回目の参加、今回も日本からの唯一の参加者でした。

合計12の講演が一日半にわたり行われました。どれも非常に質の高い内容で、いつもの事ながら学ぶことがとてもたくさんありました。そのなかでもハロルド・エバンスキー氏の講演は示唆に富むものでした。

「退 職前には資産は定期的に増加する、退職後は、それが徐々に減少する。その結果、二つに一つのことが起こる。銀行に預金を残したまま(予定通り)に死ぬか、 あるいは死ぬ前に資金が尽きるかだ」というウィリアム・シャープ博士の言葉にもあるように、いま、資産運用は大きなパラダイムの変化期にあります。興味深 いデータが紹介されました。

● 米国においても2009年から2025年の間、7秒に一人の人が59.5歳になる
● 米国において現在、65歳のカップルは、一方あるいは両方が50%の確率で91歳まで生きる

こ れまで資産運用は、いかに退職後のために資産を増やすかが主な目的でした。しかし、いま、先進国でベビーブーマーが退職期を迎えることになり、いかに運用 をしながら資産を取り崩していくかに焦点が移りつつあります。それは、証券市場にも大きな影響を及ぼすと同時に、そのようなマーケット環境のなかで、どの ような運用&取り崩し戦略がよいのかという大きな課題を我々に突きつけています。

この分野はまだ理論的にも完成されていない面がたくさん あるように思います。エバンスキー氏の講演では、退職後の人々が抱えるさまざまなリスクの分析、従来のモンテカルロ・シミュレーションの問題点、ポート フォリオからのキャッシュフローの確保の問題、インカム・リターンかキャピタル・リターンかなどの幅広い分野での氏の考え方が紹介されました。

エバンスキー氏とは3年ぶりの再会でしたが、色々、個人的にも話をし、見解を聞くことができとても有益な時間を持つことができました。この会議で学んだことを消化して、みなさまにも折にふれて解説していきたいと思います。

2010年3月20日 13:22 岡本和久 | きほんのき| コメント(0)

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