あれはブラック・スワンだったのか?

2011年8月20日 14:36

「リーマン・ショック」と言われる世界的な株式暴落が起こったのは2008年9月でした。あのとき、「100年に一度」の暴落とか、「ブラック・スワン」 だとか言われました。ブラック・スワンというのはナシーム・タレブという人が2007年に書いた本のタイトルで、「みんながありえないと思っている非常に 大きなインパクトのある事象が起こる」という意味です。ちょうど、スワン(白鳥)は白いに決まっているという常識に反して、現実には黒いスワン(「黒い白 鳥」というのも変な言葉ですが・・・)が存在するということから名付けられたタイトルです。

リーマン・ショックのような大暴落は過去の統 計で見ても100年か、それ以上に一回、起こるか起こらないという常識に反して、実際にそれが起こるときには起こったのです。それで、「ブラック・スワン だ」と騒がれました。しかし、良く考えると、あの時からわずか3年ほどでそれなりにマーケットは回復しました。そしていま、また、新しい波乱が始まってい ます。今後も波乱を繰り返しつつも長い時間の経過とともに回復し上昇していくでしょう。それは、株式というものに本源的な価値があり、十分に分散された ポートフォリオの価値は長期的には増加していくからです。

ですから、毎月の給料から積立投資をしている「資産形成世代」にはあのショック も今回の相場の下げも買いのチャンスではあってもそれほどのショックではないのです。しかし、高齢の「資産活用世代」の方にはそのダメージは甚大です。取 り戻すだけの十分な時間が残されていないからです。

結局、私は万人に共通する「ブラック・スワン」現象というのは存在しないのだろうと思 います。若い人には、数々の暴落は資産運用の長旅の途中の風景です。彼らには、スワンはやはり白なのです。しかし、高齢の方には大きな暴落は間違いなく深 刻なブラック・スワンなのです。暴落が起こると何でもかんでもブラック・スワンと決めつける傾向がありますが、自分の立ち位置に基づいた冷静な判断が必要 です。

2011年8月20日 14:36 岡本和久 | きほんのき| コメント(0)

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