資産運用「気づきのタネ」(121)最強の積立投資法、バリュー平均法

2014年6月20日 12:32

最強の積立投資法、バリュー平均法


個人投資家が人生を通じて資産運用をする際に最も効果的な方法は積立投資です。つまり、相場の短期的な予測は極めて難しいので買付タイミングの分散を図る方法です。積立投資の手段として日本では一般にドルコスト平均法が用いられています。これは定期的に定額を同一銘柄に投資してゆく手法です。その結果、株価や基準価格が安くなれば株数・口数がたくさん買える、高くなれば少な目になる。これを続けていれば比較的コストの安いポートフォリオを構築できるというものです。

この手法は極めて優れています。多くの場合、業者が自動的に投資をしてくれるので、特に投資にそれほど習熟しておらず、あまり、興味も、時間もないという方には最適の方法です。しかし、少し投資経験を積んでくると「投資をしている」という実感を持ちたいという方も増えてくるものです。そのような方に最適なのがバリュー平均法と呼ばれる手法です。

これは1988年に米国のマイケル・エデルソン博士が発表した積立手法です。この手法の特徴は価格が下落した時には投資金額を増やす、上昇した時には投資金額を減らすというものです。この点が価格変動に関係なく一定金額を投資してゆくドルコスト平均法との大きな違いです。そして、概してドルコスト平均法よりも優れた成果を実現しています。

この手法ではまず、バリュー経路(バリュー・パス)という資産成長の道筋を決めます。その上で毎回、時価残高がバリュー経路になるように資金を投入していきます。時価残高がバリュー経路を超えた場合には超過分を売却します。そして、その資金を値下がりにより価格が下がった時に買いを増やすための原資として使うのです。

これからかなりの長期間にわたって世界のマーケットはかなり大きな変動を続けるだろうと思います。流動性の縮小と世界景気の回復という二つの要因の綱引きでマーケットは波乱含みの動きを続けるのではないでしょうか。そのような時こそ、ただ、一定額を積み立ててゆくだけではなく、下落時には投資資金を増やし、上昇時には減らしたり売却したりするようなダイナミックな積立法が功を奏するのではないかと思います。

この手法については私の近著、「自分でやさしく殖やせる 確定拠出年金 最良の投資術」(日本実業出版社)で解説をしておきました。ご興味のある方はご一読いただければ幸いです。

(この原稿は投資手帖2014年7月号に寄稿した文に加筆修正をしたものです)

2014年6月20日 12:32 岡本和久 |

« 前の記事 | 次の記事 »

岡本和久のI-OWA日記

サイトマップ 岡本和久のI-OWA日記TOP ページトップへ