資産運用「気づきのタネ」(127)難しい投資とやさしい投資

2014年10月19日 08:16

難しい投資とやさしい投資


投資は難しいと思っている方がたくさんいます。なぜ、投資が難しいかというとできるだけ早く、できるだけたくさん儲けようとするからです。多くの場合、そのような投資行動は投資ではなく「投機」です。

株価の短期的な動きは予測がほとんど不能です。そのわからないものを対象に偶然性に賭けるのは投機です。つまり、儲かっても偶然であり、幸運だったというだけのことです。しかし、株価の動きを分析して売買をして儲ける人もいます。過去の株価の動きから将来を予測する点について筆者は否定的ですが、できると信じて投資をする方もいます。そのような方は短期投資家と言えるでしょう。

それでは長期投資家とは何かと言えば株式投資によって企業を保有する、そして企業が成長すると共に投資資産も増殖することを狙うものです。つまり、同じ投資でも短期投資と長期投資は別物なのです。

企業が成長するのには少なくとも数年という時間がかかります。したがって保有する企業価値が増えるためには必然的に長期投資をすることが必要になるのです。しかも、その成長率はゆっくりとしたものです。ですから、時間はかかり、リターンも目覚ましく高いものではありませんが、目まぐるしく動き回る株価を当てるような難しさはありません。要は世の中で本当に役立っている企業、自分が応援したいと思っている企業をじっと保有していればいいのです。それも難しいのであれば、全世界の株式を対象とするインデックス・ファンドを買っておけばいいのです。我々の生活を支えてくれているのは世界中の企業です。「おかげさま」という気持ちですべてを保有しておけばいいのです。

株価の動きは影のようなものです。企業の実体価値に光を当てることを想像してみてください。マーケットの心理は欲望と恐怖の間を毎日、ランダムに変化しています。欲望の側から光を当てると小さな実体も大きな影になります。恐怖の側から光を当てると大きな実体も小さな影になります。実体価値は同じでも欲望と恐怖の間の心理のブレで株価は大きく変動するのです。

実体価値が着実に成長していれば、上下に変動する株価も平均的には上昇していくのです。それに投資するのが長期投資です。「できるだけ速く、できるだけたくさん」を狙うのではなく、「ゆっくり、そこそこのリターンで資産を増やす」ことを考えれば投資は全然、難しいものではないのです。

(この原稿は「投資手帖11月号」に寄稿したものです)
 

2014年10月19日 08:16 岡本和久 |

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