証券市場のプレイヤーたち

2008年8月 5日 15:36

証券市場の主なプレイヤーとしては、証券会社など、取引の仲介をする業者と、金融機関、法人、投資信託、外国人、個人などの投資家がいます。そのなかでも証券会社の役割には大きなものがあります。大きく分けてその業務には(1)委託売買業務、(2)引受け業務、(3)募集・売出し業務、(4)自己売買業務の四つがあります。委託売買業務は、投資家の売買を受けて、その注文を発注する業務です。その対価として証券会社は委託売買手数料を得ます。みなさんが株式の注文を証券会社に出すと取られる手数料がこれです。株式や債券などの発行に際して、これを引受けて投資家に販売するのが引受け業務、公募増資を引受けた証券会社が投資家に販売するのが募集・売出し業務です。そして、自己売買というのは証券会社が自分の勘定で証券売買を行なう業務です。

2008年5月現在、日本には証券会社が321社あり、そのうちの126社が取引所の会員となっています。また、2008年6月時点で約10万3000人の人が証券会社で働いています。最近は従来のような対面型の証券会社から、インターネットによる取引に特化したオンライン証券が増えています。これらの口座数は2008年6月時点で1100万口座を超えてきています。オンライン証券は、委託手数料が安いのが特徴ですが、ちょっとした相談ができない、インターネットで取引をすることが不安という方も多く、従来の対面型の証券会社が好まれるケースも、まだまだ多いようです。

投資家は大きく分ければ法人と個人に分けられます。株式に投資する個人投資家の数は戦後、50年から65年にかけ上昇し、その後、企業間の株式持合いが進み、80年代の後半まで1500万~2000万の間を推移していましたが、90年代以降、再び上昇に転じ、2007年の時点で4000万人に近づいています。しかし、個人株主が保有する株式の比率を見ると1970年の37.7%をピークとして下落、昨年で18.2%となっています。

保有比率は金融機関、事業法人などが大きな比重をしめていますが、両者とも80年代の後半をピークとして、現在はそれぞれ、30%、20%程度になっています。これに反して急増しているのが外人投資家です。バブルのピーク近くでは外人保有比率は5%以下だったものが、1999年には18.6%に達しました。そこで2002年まで少し足踏みしましたが、現在は27~28%の水準となっています。

この傾向は売買に占めるシェアにも如実に表れています。2007年を見ると委託売買に占める外国人のシェアは53%となっています。つまり、30%以下の保有比率の外人が半分以上の売買をしたことになります。特に本年の初めにはこのシェアが7割を超えたこともあり市場の注目を浴びました。グローバルな視点で日本のマーケットを見ている外人投資家が日本株に注目するのは喜ばしいことではありますが、反面、日本人の投資家の間に、外人動向を注目しすぎる傾向もでています。もっと、主体的に日本の投資家としての立場から自らの価値観で投資をしてもらいたいものだと思います。


訂正 - 前回のメルマガ、「証券取引所」に関する記載のうち、上から三つ目のパラグラフにある、「中国の時価総額が日本より大きい」との記載は、以下のように訂正させていただきます。

「興味深いのはBRICsなどの新興国です。これらの諸国は経済成長を反映して、1994年にBRICs全部を合計しても1%程度だったのが、現在は、ブラジルが2.4%、ロシアが2.3%、インドが2.3%、中国が7.1%となっています。さらに香港が1.6%ありますから、香港も含めた中国の方が日本より大きいことになりますが、中国の場合、国有企業が多く、政府がかなりの株式を保有していることが指摘されています。」

2008年8月 5日 15:36 岡本和久 |

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