日本の国債についてまとめました

2009年11月 4日 12:22

私のマンスリー・セミナーに参加されている方から下記のような質問がありました。     

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日経マネーの情報サイトから下のような記事を見つけました。

http://ow.ly/yNRC(英文)
http://gaikokukabuhiroba.blogspot.com/2009/11/blog-post_03.html(日本語抄訳)

この記事に対して、ご見解、ご意見を頂けたら嬉しいです。
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いい機会なので日本の国債について少しまとめておきましょう。

まず、日本の国債はほとんど円建で日本で保有されています。日本にいる人に対して日本国は徴税権を持っています。ですから、利払や元本の支払ができなくなることはありません。要するに税金を取れば支払はできるわけです。したがって、ずっと満期まで保有していれば、利払はされ、元本は戻ります。

でも、だから安心というわけではありません。

この記事でも触れられているように、今後、国債を、日本でいままでのように低金利で消化するのが困難になるとすれば、当然、金利を上げなければなりません。ですから、例えば5年固定金利の個人向国債をもっている人は、その期間中に金利が大幅に上がっても満期まで低金利に甘んじていなければなりません。

だからといって、利率の高い国債に乗り換えるために、流通市場で金利の低い国債を売却しようとすると、金利が上昇しているのですから、債券価格は下落しており損失がでる可能性もあります。ですから、満期まで持てば必ず元利金は受け取れるといっても機会損失は発生することになります。

もっと大きな問題は増税です。つまり、借金の金利と元本返済のためにどんどん税金を上げていかなければならなくなり、我々の生活が圧迫されることになります。この問題は、海外に移住でもしないかぎり逃れようがない。結局、国債の元利金払いのための増税で我々の生活は厳しくなる。

もうひとつの大きな問題は、インフレ的な政策が取られやすくなるということです。当然、国債で調達した資金は政府によって使われるわけで、民間部門の流動性が増加し、インフレになりやすくなります。また、インフレになれば物価は上昇しても借金の額は変りませんから借りている人としてはラッキーです。政府としてもどちらかといえばインフレ的になってもらいたいと思うのは当然のことです。(ただし、新興国の廉価な労働力がまだまだ参入してくるので、私はそれほどひどいインフレがくるとは思っていません)。

資産運用の天敵は、税金とインフレです。税金については、日本に住んでいる以上仕方ないですが、資産の一部をインフレに強い資産にしておく必要があるということです。金とか、商品指数に連動する投信などもありますが、まず、第一歩は、自分が生活に使っている商品やサービスを提供している企業の生産能力を持つということです。前々からお話しているようにそれが株式投資の原点です。つまり、グローバルに十分に分散された株式ポートフォリオを持つということです。

このような財政状態になってしまった、少なくともひとつの背景は、やはり国民が銀行預金ばかりしていることにあるのではないかと思います。つまり、銀行が貸し出しできる以上のおカネが集まってしまい、そのおカネで国債を買っているというのが現状です。そのような背景があって国債はいくらでも低金利で発行できるという安易な感覚が生じ、この借金地獄に陥ったということだろうと思います。個人投資家がもう少しリスクをとり直接金融への流れを推し進めるということも健全化のためには大切なことだと思います。そのためには、どのようなリスクをどのように取ればよいのかを幅広く普通の人々に知ってもらう必要があるのです。(それが私の目指すところでもあります)

この問題の解決策は、やはり資本の効率を高めるということしかないと思います。これから金利が上昇していくと、政府にとって国債発行の負担はさらに重くなっていきます。そのなかで国債の発行額を抑えていくということは、本当に必要な目的に使えるおカネが減っていかざるを得ないのです。ですから、とにかく効果的なおカネの使い方をしなければならない。それは、政府が恣意的に決めるのではなく、やはりマーケットのメカニズムを通じて行なわれなければならないのだろうと思います。それが、世界の常識です。

そんななか、郵政改革の見直しが現実のものとして進み始めました。300兆円といわれる膨大な資金がマーケット・メカニズムではなく、政府の意図する方向で使われる可能性がでてきた。そんなところからこの記事もでてきたのではないかと思います。

 

2009年11月 4日 12:22 岡本和久 |

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