きほんのき

2010年6月20日 13:16

● 先日、サンフランシスコでアメリカ人の友人とランチをしていたときの話です。色々、投資教育の話などをしていたら、「ところで、SAVEと INVESTというのはどう違うんだろう?」と聞くのです。面白いことを聞くなと思い、「どうして、そんなことを聞くの?」と言うと、彼の奥さんが子ども のために買った貯金箱には、SAVE(貯める)、SPEND(使う)、DONATE(寄付する)、INVEST(投資する)というコインを入れる四つの口 があるというのです。興味をもったので是非、それを見たいと言ったらリンクを送ってきてくれました。確かに四つに分かれています。

http://www.amazon.com/Money-Savvy-Piggy-Bank-Purple/dp/B0030215EU

●  日本の「貯金箱」はただ、おカネを貯めるのが目的のようですが、アメリカの貯金箱はおカネの使い道をどうするかを自分で決めるための道具なのです。だか ら貯金箱ではなくて、ピギー・バンク(子豚ちゃんの銀行)というのでしょうか。子供たちが小さな銀行の経営者になって自分のおカネの使い方を決める。その 使い道が、貯める、使う、寄付する、投資するという四つだというのです。

● マクロ経済学的に言えば、「投資」というのは、企業が新しい 機械や建物などの資本財に資金を投下して、将来、収益を得ようという行為です。そのような企業活動に株式や債券を通じて資金を提供するのが金融投資です。 金融投資を行う原資となるのは、収入から消費を差し引いた残りのおカネ、つまり、貯蓄です。その意味では、「貯蓄」は銀行に預けること、投資は株や債券や 投信を買うことというのは正確ではありません。例えば引出にしまっておくおカネも貯蓄なのです。貯蓄はリスクを取っているおカネではありません。ですから 元本は、少なくとも名目的には安全です。一方、投資は元本をリスクにさらして、その資金が稼いだ収益の一部をリターンとしてもらうのです。つまり、「貯 蓄」の使いみちのひとつが「投資」です。

● そう考えるとピギー・バンクに四つの入れ口がついているのは面白いと思います。おこづかいを もらう。その一部は使う。そして残りは貯める。それが、だんだん貯まってきたら、それをおカネが必要な人のための投資に回して、将来のリターンを得る。ま たは、貯まったおカネの一部を寄付して、人助けをする。これはこれで人に喜んでもらって「うれしい、よかった」というリターンを得ているのです。自分が得 たおカネをどう使うか自分で決めるという作業がピギー・バンクに象徴されています。その意味では、「SAVE」は「貯める」というより「とっておく」と 言った方がいいでしょう。

● 日本の招き猫などの貯金箱を見るとおカネの入れ口はたった一つです。そして、それを使うときには貯金箱を壊 さなければ使えません。やはり、ひたすら「貯める」ということを重視する日本と、おカネを使う分ととっておく分に分け、とっておいたおカネを人々のために 役立てるという海外の文化の違いがここにも表れているようです。

2010年6月20日 13:16 岡本和久 |

« 前の記事 | 次の記事 »

岡本和久のI-OWA日記

サイトマップ 岡本和久のI-OWA日記TOP ページトップへ