資産運用「気づきのタネ」(87)おカネは借りた方が得か

2012年12月 4日 13:20

おカネは借りた方が得か


会社が使うおカネは借りたおカネ(デット)か、株主のおカネ(エクイティ)のどちらかです。会社はこれらのおカネを使って資産を保有し、モノやサービスを売ります。これが売上です。売上の一部は製造原価だったり管理費や販売費として使われます。同時に、おカネを借りている人に金利の支払いや元本の返済をします。そして残ったおカネから経営者に報酬を払い、さらに残ったものを株主が配当金でもらったり、会社に内部留保として預けておき、翌年以降の収益拡大のために用立てます。ここでポイントは会社はまず、借金の利払いや返済をして、その残った部分が株主のものになるということです。

最近、「いずれ金利が上昇するだろう。だから、その前におカネを借りておいた方がいいのではないか」という声をよく聞きます。確かにいま、固定金利でおカネを借りておければ、将来、金利が上がったとき得をするという考え方もできるかも知れません。これは個人の好みの問題でもあるのですが、私自身について考えるとやはり、借金は嫌いです。とにかく借りないですむのであればできるだけ借りたくないのです。

なぜ、そう思うのかを考えてみると、最初に述べた会社の仕組みに関連しているのだろうと思います。つまり、自分が会社だったとすると株主は私ひとり。そして、自分という存在と保有するモノやおカネの合計が総資産です。ここでは単純化し総資産のほとんどが自分という人的資産であるとしましょう。自分という資産を活用し、汗水流して、収入を得るわけですが、おカネを借りていると、その収入から、まず借金の元金利を払います。そして、その残りの部分しか自分のものにならないのです。借金をするということは、一生懸命働いて稼いでも、最初に、他人がその収益の一部を持っていく権利を与えてしまうということなのです。

しかも、フローの収入だけではなく、返済が完了するまでは自分という人的資産の価値の一部が借金取りに差し押さえられているのです。いわば自分であって自分のものでない部分がある。ここが私にとってはどうにも面白くないのです。一概に借金は全部、ダメと言えないのはわかります。しかし、おカネを借りる場合は、それがどのような意味を持つかを考えてから決めるべきです。

2012年12月 4日 13:20 岡本和久 |

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