資産運用こぼれ話:「理性的」な投機と資産形成

2017年5月 4日 11:03

ごく普通の生活者の方々に講演活動をしていると学ぶことがあります。「絶対に株式投資なんかしたくない」という方も多いものです。生活をする上でお世話になっている企業を応援したいということで株式を保有する方、株主優待が欲しいという方もいらっしゃいます。また、株価チャートやテクニカルな指標を用いてかなり積極的に売買をすることを好む方、一発勝負で儲けて海外旅行に行きたいという方、脳トレとして投資をしている高齢の方、「いや、株式よりもFXの方が面白い」という方、本当に様々なのです。
普通、資産運用の講演などでは、投機的な手法には否定的です。「投機や短期売買の取引ではなく、長期で資産形成をすることこそ正しい方法なのです」というトーンでの話が多いのです。つまり、投機はバツ、資産運用はマルという二者択一の答えです。
先日、ある会合でFXをしている方、短期売買でお小遣い稼ぎをしている方とお話をする機会がありました。とても興味深いことにみなさん、「退職後のための資産形成はどのようにしたらいいのでしょう」とお聞きになるのです。要するに、彼らにとって投機や短期売買はまさにゴルフなどと並列の趣味であり、それらを続けていても経済的な自立は難しいことを認識している場合が多いのです。
当然、趣味に溺れすぎない理性的な方であればそれらに投下する資金は余裕資金であり、その結果も自己責任であることを知っています。投機をする方すべてがそのような方だとは言えませんが、一概に資産形成こそ正しい道であり、投機はすべてダメという議論は間違っています。競馬であれ、パチンコであれ、株式投機であれ、趣味として節度を持って行う分には何も問題ありません。ただ、それらは退職後のための資産形成とは異なるものであるということです。
「理性的」な投機家の方は、投機を趣味として許容できる範囲でやっています。同時に趣味とは別に退職後のために資産形成をしていかなければならないことをご存知なのです。そししてその方法は投機ではないことも知ってることが多いのです。
人生を通じての資産運用は投資に見向きもしない人も含め、すべての人にとって必要なものです。「あの人は投機が大好きだから長期投資に適した商品を勧めても無駄だ」と思う販売サイドの方やアドバイザーも多いでしょう。しかし、投機、短期売買が好きな人だから人生を通じての資産運用など見向きもしないと最初から決めつけるのは大きな間違いではないかと思います。

 

2017年5月 4日 11:03 岡本和久 |

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