資産運用こぼれ話 企業不祥事に思うこと

2017年11月23日 09:43

ここのところ企業の不祥事が数多く目立ちます。でも、よく考えて、見れば別に珍しいことではなく、ずっと以前からあったことです。私もかつて大手証券に勤務しており、バブル崩壊後の不祥事続発時代を目の当たりにしたことがあります。後に振り返り、もし、自分が同じ立場にあり、上司から違法行為とわかっていることをするように命じられた時、果たしてそれを断りきれただろうかなどと考えたものです。

株主による企業統治がここ数年、重視されるようになってきています。また、運用会社が本当に受益者のためになる運用を行うことを宣言するようになっています。また、顧客本位の業務運営にコミットするフィデューシャリー・デューティー宣言を行う金融機関も増えてきています。これらのことはいうまでもなくとても良いことです。

このような動きは始まってまだ間もないので結果をうんぬんするには早すぎるのかも知れません。ただ、本当にこれらが絵に描いた餅に終わらず魂の入った仏になるためには二つのことが重要ではないでしょうか。

まず、現場で働く一人ひとりの人間の意識だろうと思います。つまり、おかしいと思ったことは上司に対しても物申す態度が必要なのです。「上司の命令だから仕方ない」では済まない時代になっているのです。スタッフ全員が知識・経験に加え、しっかりした倫理観を持つプロであることが求められている時代なのだと思います。以前にも書きましたがそのためには、業界団体ではなくプロとしての個人を守る職業団体が必要です。

もうひとつ、重要なのは違法行為を犯した企業のトップに対する処分をもっと強化することです。日本の企業犯罪の刑罰がアメリカなどと比べると極めて甘いことはよく知られています。会社が違法行為をするとトップ自身に厳しい刑罰が科され一生を棒にふることになれば、トップが企業内の違法行為が起こらないように努力するのは間違いないでしょう。当然、中間管理職が、違法行為に走らないように厳しい指導をするでしょう。そうしなければトップ自身に問題が跳ね返ってきます。所詮、企業で起こることはすべてトップの責任なのです。

グローバル化が進む中、企業不祥事は日本そのものの信用を失わせることになります。この罪は日本で一般に考えられている以上に大きなものもがあります。この面でもグローバル・スタンダードに近づけることが必要な時代になっているのだと思います。

(この投稿は 投資手帖2017.12月号に執筆した内容に加筆修正したものです)

 

2017年11月23日 09:43 岡本和久 |

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