資産運用こぼれ話:ビットコイン・フィーバーに思う

2018年1月17日 19:41

相変わらずビットコイン・フィーバーとその後の暴落が話題になっています。ビットコインが、過剰流動性を背景にした単なるあだ花なのか、それとも未来を暗示するものなのかという議論も活発にされました。

有価証券には価値があります。債券には約束されたキャッシュフローをもらえるという価値があります。株式は会社の株主資本を保有し、株主資本が生み出す利益を得ることができます。しかし、為替にはそのような価値はありません。単なる通貨間の交換価値があるだけです。

ですから、私はドルであろうと、ユーロであろうと、ビットコインであろうと為替は人生を通じての資産運用には不向きだと思っています。価値の裏付けがないので価格の基準となるものがないのです。要はいくらになっても不思議はない。需給次第ということです。外貨のエクスポージャーは外国株式をヘッジなしで買えばよいのです。

話をビットコインに戻します。私は、仮想通貨は今後、紆余曲折を経て本格的に普及していくだろうと思っています。それがビットコインなのかどうかはわかりません。しかし、民間が発行主体になったデジタル・データ形態の仮想通貨は一段と浸透していくことだろうと思います。

その理由は単純です。グローバル化した世界で便利だからです。グローバル化は人類の変わらない歴史です。もちろんその過程で作用と反作用があるのは当然です。現在はこれまでの急速なグローバル化に対する反作用の時期なのかも知れません。しかし、メガトレンドはやはりグローバル化です。

金融取引はもちろん、貿易の決済も、個人の海外旅行もマネーの世界はグローバル化しています。そのような環境ではグローバルな通貨の方が使いやすく便利です。しかも、無駄なコストを削減するという大きな意味もあります。国家や金融機関など仲介者も少なく、送金も簡単で、民間同士で決済が進むところに大きな意味があるのです。 

従来の法定通貨は中銀や国家が主体となって発行されてきました。その裏付けは、国家の信用です。リーマンショック以降、中央銀行が大量の資金を市中に供給しました。通貨の発行量が増えるほど通貨の裏付けとなる国家の信用は希薄化していきます。 

今後、仮想通貨のデータ改ざん技術などもさらに改善され信頼度も高まっていくでしょう。世界的に国家の信用をベースにした通貨発行が信用希薄化の壁にぶつかりつつある一方、技術の進化で民間同士の信用に基づく仮想通貨がその利便性ゆえに広まり始めているのではないかと感じます。もしかしたら仮想通貨とこれまでの通貨が併用される時期もあるかもしれません。 

ビットコインがいまのままそのような仮想通貨になるのかはわかりません。しかし、インターネットが普及したように利便性の高いものがグローバルに広まり改良が重ねられ普及していくことになるのではないでしょうか。

 の原稿は投資資手帖2018.02号に寄稿したものに加筆修正したものです) 

 

 

 

2018年1月17日 19:41 岡本和久 |

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