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資産運用「気づきのタネ」(5)

2010年8月15日 08:51

「投資」は資金を投げること、「運用」は運んで用いること


<コメント>

「投資」と「運用」という言葉はしばしば同意後として使われます。でも、私はこれらは大きく異なると思います。

「投資」とは資金を投げること、つまり、資金を手放す。自分が持っている余裕資金を、いま、おカネを必要とする人に用立ててあげる。その人は、そのおカネを活用して、収益を上げる。その収益の一部をリターンとして受け取る。これが投資です。自分が人のために融通した資金が収益を生み出し、それが自分のところに戻ってくる。だから「リターン(戻る)」というのです。

「運用」は運んで用いる。手放さないのです。人生という長い時間軸に沿って資産を運んでゆく。そして、将来、必要となった時にそれを用いる。ですから、運用には出発点があり、過程があり、目的地がある。そして、そこに時間の流れがあるわけです。言いかえれば、①いま、いくらあるのか、②これらかいくらずつ積み立てるのか、③何年間運用をするのか、④そして、最終的にいくら必要なのかという四つの要素で出来上がっているのが運用です。

仮に10万円「投資」をして、その銘柄が10倍髙をした。これは投資としては大成功です。でも、それで将来の経済的基盤ができたかと言えばそうではない。運用の目的はいかに金融資産全体を安定的に増やしていくかということろにあります。「将来の自分をいまの自分が支える」、これが「運用」です。

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資産運用「気づきのタネ」(4)

2010年8月 9日 09:06

短期投資は株価の売買で儲けようとする、長期投資は企業の保有で儲ける


<コメント>

「よく長期投資って何年以上保有することを言うのですか」という質問を受けます。でも、私は何年以上が長期で、以下が短期という区分は適当ではないと思っています。

長期か、短期かの区分は保有期間の長さではなく、その動機によるのだと思います。

短期投資はあくまで株価を対象として売買で儲けようというものです。長期投資は企業を保有して、企業が成長すると共に投資資金も成長していくのです。その結果、どうしても時間がかかることが多いのです。

その意味では、長期投資の「長期」という言葉は少し誤解を招きやすいと思います。

私は「永代」という言葉が好きです。井原西鶴の日本永代蔵の「永代」です。この言葉、「時間的な制約がない」という意味だそうです。永代証文とか、永代供養というのも「ず~と」という意味です。まさに、長期投資の長期は永代です。だから「永代投資」と言った方は良いかも知れません。

時間的制約がないということは、「時間を味方につける」ということです。短期投資は「いつまでに、いくら儲けたい」という、時間と争う投資です。永代投資は時間の流れを楽しみながらのんびりと資産を増やす。

Get rich slowly!(ゆっくり金持ちになろう)」が長期投資です。

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尾藤峰男さんのセミナーに参加

2010年8月 8日 17:09

私の友人、尾藤峰男さんが「いまこそ始めよう外国株投資入門」という本を出版されました。

その出版記念講演会に参加しました。非常に熱心なお客様がいらっしゃっており、こちらもうれしくなりました。

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ちょっと緊張気味の尾藤さん

色々、面白い話がありましたが特に印象的だったのが以下の話です。

アメリカのジョンソン&ジョンソンは47年間増配を続けています。
1980年にこの株式を買ったとします(私が33歳のとき!)。
その時の配当利回りは2.2%でした。

しかし、その後の毎年の増配で、現在は投資金額に対して配当利回りが91.3%(!)だそうです。
つまり、投資金額が100万ドルだったとすると、いま、91万3000ドルの配当がくる。もちろん、増配が続けばこの金額はこれからも上がるわけです。

しかも、株価は29.6倍になっている。

これってすごいですよね。もちろん、これは事後的に言えることで、その時点でJ&Jがこれほどの成長をすることを予測するのは難しいのですが、それでも同社がきちんと顧客の、従業員の、社会の、そして株主の期待に備えていることが分かるデータでした。

尾藤さんの本では類似したパフォーマンスを示したものとして、プロクター&ギャンブル、スリーエム、ペプシコなどの例が述べられています。

本にでているのですが、「新興国で成長を買う、先進国でガバナンスを買う」という発想は非常に面白い。

尾藤さんの本で日本の企業経営者もエクセレント・カンパニーの経営を学んでほしいものです。

I-OWAマンスリー・セミナーにも10月には登場いただけるので楽しみです。

 

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マネックス・ラウンジにしばらく連載をさせていただきます

2010年8月 7日 10:19

マネックス・ラウンジにしばらく連載をさせていただくことになりました。

今回は私の若き日にであったすばらしいファンド・マネジャーと、アナリストの教えについて書きました。

「はじめに証券価値ありき」
若き日に、米国で叩き込まれた、割安株の見極め方
本当に価値のあるものが永久に見逃されることはない 

ここでお読みいただけます。

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東京インベストライフ・セミナーが開催されました

2010年8月 7日 10:04

8月5日、東京インベストライフ・セミナーが開催されました。

今回の大きなテーマは「日本の明るい未来を語ってみよう」でした。
講師は澤上篤人さん、出口治明さんと

私と澤上さんが少し話をした後、出口さんが話題提供ということで日本が抱える課題と可能性につきさまざまな側面からお話をされました。

そして、質疑応答。こんな質問がでました。

  • 何がきっかけで日本は良くなるでしょうか
  • 明るい可能性は分かるが現実的に社会変革は本当に起こるだろうか
  • 円で資産を持っていていいのだろうか
  • 将来への不安が守りの姿勢を生み、その結果、リスクテイクをする人が減っているのではないか
  • 外国人の居住者がもっと増えていくことの影響はどんなものか
  • 貯蓄税という議論もあるがコメントは?

どれも良い(と、いうことは答えるのが難しい!)質問です。みなさん、明るい未来を期待しつつも現実の課題に押しつぶされそうになっている感じを受けました。

講師からのメッセージは、「要するに草の根レベルで行動をすること」でした。「どうせ、自分一人が動いたってどうにもならない」という負け犬根性ではなく、一人ひとりが「私が世の中を変える」というつもりで行動をすることが大切ということが結論だったように思います。

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親子で学ぶマネーレッスン

2010年8月 6日 20:09

友人の紹介で、6歳の女の子、9歳の男の子、そしてお母さんのために「親子で学ぶマネーレッスン」の話をして欲しいという依頼があり簡単に引き受けました。

さて、どんな話をしようか、ということで、花咲じいさん、アリとキリギリス、三匹のこぶたなどのお話を取り入れながらストーリーを作りました。もちろん、資料もすべてふりがなをつけました。

中学生や高校生への話は何度もしていますが、小学生は初めてです。「どんな風になるかな?」、ちょっと楽しみに思いながら現地に向かいました。

実はお母さんもふたりのお子さんも耳が不自由な方でした。したがって、私の話もすべて手話の通訳を通じてでした。

通訳の方の技量もあるのだと思います。そして、何よりお母さんもふたりの子供たちもとても真剣に話を聞いて下さいました。

なんでも9歳の男の子が、おカネの話を勉強したいということでこの企画が実現したそうです。

約1時間、子供向けの「おカネとは?」、「投資とは?」という話のあと、お母さんが、いま将来のために銀行に貯金をしているが、本当にこれを続けているだけで良いのだろうかという質問をされました。もちろん手話を通じての質問ですが、とても真剣に考えておられるのが実感できます。

ごく一部でもいいからグローバルなインデックス投信などを積み立ててごらんなさいという話をしました。

ある意味、ハンディキャップをお持ちになっている分、「将来の自分をいまの自分が支える」ということを切実に感じておられるのだなあと思いました。そして、おそらく9歳の男の子も同じような気持ちを持っているから、おカネの事を勉強したいと思われたのだろうと思います。

とても感動しました。

些細なことに文句を言いながら、自分で行動をとれないでいる人たちが多い中、しっかりと自分の将来を見据えて手を打とうとしている。お子さんたちもとても聡明な感じを受けました。必ずや立派な大人になってくれることだろうと思いました。

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味千ラーメン

2010年8月 6日 19:46

   ひと月ほど前に味千拉麺の取締役広報室長、重光悦枝さんのお話を聞く機会がありました。

熊本のラーメン屋さん、味千は昭和43年に7坪8席で、重光悦枝さんのお父上が創業したそうです。

それが、いまや全世界12カ国に591店舗、54000席を誇るグローバル企業になりました。特に中国での展開は驚くほどで上海で395店、中国全体では412のお店を持っているそうです。

そして2007年には香港市場に上場も果たしています。

すばらしい成功の秘密は「味へのこだわり」。

世界で展開するとなるとどうしても味を現地のテイストに合わせるということがあるかと思うのですが、やはり、一番の基本である味を守ることが最も大切というのは非常に興味深く思いました。

ニーズに答えることは大切だが、ニーズに妥協してはいけないということでしょうか。

東京都では池袋の立教大学の近くにお店があります。

先日、初めてそこで賞味させていただきました。馬丼とのセットで750円。千味油を使った豚骨スープ、厳選された塩、フライド・ガーリック、そして九州としてはやや太めの麺などこだわりを感じさせるラーメンでした。馬丼も初めて食べましたがラーメンとの相性もよくおいしかったです。

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お店の前にはマスコットのチイちゃんの人形があります。重光悦枝さんの若いころのイメージだそうです。

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7月のマーケット・レビュー

2010年8月 5日 11:39

● ベンチマークの月間パフォーマンス(配当を含めたトータル・リターン)
【日本株式  】   0.97%  (配当込東証株価指数)
【日本債券 】   0.32%   (野村BPI指数)
【先進国株式】   5.86%   (MSCI KOKUSAI、円換算値)
【新興国株式】   5.60%    (MSCI Emerging Markets、円換算値)
【外国債券  】   2.01%   (CITIGROUP WGBI 円建)

● 基本ポートフォリオの月間パフォーマンス
①積極型      2.84%
②成長型          2.17%
③安定型          1.53%
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①国内株式40%、先進国株式36%、新興国株式4%、国内債券10%、海外債券10%
②国内株式25%、先進国株式22.5%、新興国株式2.5%、国内債券25%、海外債券25%
③国内株式10%、先進国株式9%、新興国株式1%、国内債券40%、海外債券40%
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デフレ:景気循環か?価格体系の変化か?

● 牛丼戦争が再燃しています。いずれにしても250円でおいしい食事ができるのはありがたいことです。私のオフィスの近くに最近できた惣菜の店では、全商品1グラム=1円。ランチにあれこれ選んでも200円ぐらいなものです。これって「デフレ」なのでしょうか?

●  90年代になり米ソ冷戦構造が終焉し、誰もが、どこでも、生産・販売の活動ができるようになりました。その結果、発展途上国の安い労働力が生産活動に組 み込まれることになり、新興国が興隆することとなりました。そして、21世紀の最初の10年も後半になると、BRICSなどが生産のみでなく、消費地とし て魅力を増してくることとなりました。これがエネルギーや食糧などの資源の需給をひっ迫したのは記憶に新しいところです。

● 世界的な金融不安を 経ていま、企業収益が予想以上の強さで回復をしています。しかし、それが国内の雇用や、国内従業員の購買力につながらないという現象が起こっています。企 業収益の回復は直接的には新興国に流れてしまっているのです。一方、国内の労働コストは新興国の労働コストの影響を受け、下方に引っ張られる結果となって いる。それが、激安の牛丼やお惣菜になっているのではないでしょうか。

● 1973年、石油ショックのとき、資源価格の高騰で石油消費国の物価は 水準訂正をしました。我々の生活に使われるさまざまな石油を原料とする価格が上がったのですから当然です。今回はそれが労働コストで起こっている。その意 味では、今回、「デフレ」といわれている現象は、世界金融危機以降の世界不況に起因する部分もありますが、底流としてグローバル化という構造変化があるの を見逃してはならないと思います。

● この底流は景気循環と関係なく長期にわたって続くことになるでしょう。国にしても、企業にしても、「デフ レ」を単なる景気循環の問題としてとらえるのではなく、価格体系の変化として受け入れ、新しい対応をしていくところがこれから長期にわたる成長を享受する ことになるのではないかと思います。

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資産運用「気づきのタネ」(3)

2010年8月 2日 11:33

資産運用とは将来の生活リスクを、コントロール可能な、いまの投資リスクに変換することである(岡本和久)


<コメント>

退職後の生活が不安。だから資産運用が必要とは言われるけど、やっぱりリスクのある投資は値下がりが心配。これが本音でしょう。だからと言って何もしないのは退職後の生活リスクをそのまま放置しているだけです。

資産運用というのは、将来の生活リスクを、投資のリスクに変換することなのです。

良いニュースがあります。投資のリスクはコントロールできるということです。適切なアロケーション、グローバルに十分分散されたポートフォリオを長期で保有する。そして、できるだけコストの安い投資対象を選ぶ。

何もしなければ退職後の生活リスクがそのまま残ります。投資にともなうリスクを理解することで、目先の投資リスクに対する耐久力がつきます。そして、それが老後の生活リスクを削減する方法でもあるのです。

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E-1グランプリの審査員を務めました

2010年8月 1日 10:47

マネー・カレッジ主催、第一回 E-1グランプリが開催されました。

私は審査員を務めさせていただきました。

E-1グランプリは「マネー講師の登竜門」と位置付けられていて、参加者はプレゼンを行い、その技量を競うというものです。「競う」というと殺伐とした感じがしますが、とても和気あいあいとしていて心地よいイベントでした。

若い方々が個人のためのライフプランや資産運用について熱心に解説をされていたのはとても好感が持て、うれしくなりました。

グランプリ受賞は花輪陽子さん、準グランプリは田中雅人さん

でも、みなさん、非常に僅差で審査員一堂、とても苦労しました。以下、印象に残った点です。

岡村知美さん:損失の許容範囲にフォーカスしたのはリスクについて知ってもらうためにも有効だと思います。明るいプレゼンでした。

花輪陽子さん:なぜ、投資が必要かというポイントを強調していたのはとても良かった。四コマ漫画楽しかったです。

大石泉さん:明るくわかりやすい説明でした。板書の利用も効果的。イベント終了後、質問に来られたのはとてもうれしかったです。

田中雅人さん:ポイントがよく整理されていて明確。ナチュラルな話し方で説得力がありました。

高橋成壽さん:人柄がにじみ出る話し方は好感が持てました。人的資産について取り上げたのはとてもいいです。

全体的に感じたことを書いておきましょう。ほめる点はたくさんありますが、ここでは建設的に改善点を書きます。

● どちらかというと投資についての具体論がやや乏しかった
● また、投資についても初心者用とはいいながら、話す方の知識がもう一歩欲しい
● 比較的画一的なプレゼンが多い(みなさん、きちんと型どおりやっている感じ。「型破り」がもっと欲しい)
● 「将来の夢」として話されていることのスケールが小さい
● 「将来」が10年ぐらいに限定されているケースが多くちょっと気になった(投資期間は30年ぐらいはあるのですから、もっと長期の大きな夢を語ってほしい)

でも、みんな、とっても良かったですよ。

終了後の懇親会もとても楽しかったです。

参加者のみなさん、益々、精進して一人でも多くの人の老後の心配を減らしてあげてください。

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岡本和久のI-OWA日記

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