きほんのき: 2011年11月セミナー案内

投信会社はつらいよ

2011年11月20日 10:14

投信会社の収入源は運用報酬です。そして、運用報酬は運用資産額に一定の比率を掛けて決まります。ですから運用資産額が増えないことには経営が成り立ちま せん。しかも、投信会社は幅広く多くの投資家に商品を提供するわけですから、色々な規制もあり、とても経費がかかります。それを賄うためには相当の運用資 産が必要です。では、どうやったら資産が増えるか。販売力のある証券会社や銀行が販売してくれるのが一番、手っ取り早い方法です。販売が投信会社の経営上 重要であるということは、販売会社が投信業務にかかわる投資家が払う収入の多くの部分を取るということです。そうでなければ販売をしてもらえません。「嫌 ならいいよ」と言われてしまっては投信会社は経営が成り立たなくなってしまうのです。

ですから投信を買った時に支払う販売手数料(申込み 手数料)は販売会社(証券とか銀行など)が取ります。また、毎年、とられる信託報酬の4割ぐらいはやはり販売会社が取ります。しかも、投信が株式や債券を 売買するときにも証券会社が売買手数料を取ります。つまり、銀行とか、証券にとって投信業務はすごく「おいしい」商売なのです。現実には、銀行とか、証券 がグループ内に投信会社を持っているのが普通です。最近は随分、改善されてきましたが、その経営陣はグループ内からの天下り、スタッフも中核会社からの転 籍社員が多いのです。そして、販売会社は、とにかく売れるものを売りたがる。極端にいえば、販売会社はお客が儲かるか儲からないかは別として、とにかく売 れるものを売ればしっかりと収益が上がるのです。

だから、「いま、売れそうなもの」、「みんなが買いそうなもの」を出したがる。そして、 グループ内の投信会社に「こんな投信を作ってくれ」と依頼する。投信会社は売ってもらえなければ経営が成り立たないから、販売サイドの要望にそった商品を 作る。そして、それが幅広く販売される。普通は「みんなが買っていて、値上りし始めている」商品は価格もピークに近いのです。だから、投信は「儲からな い」というイメージが定着してしまうのです。

このような投信ビジネスの構造で抜け落ちているのが、投資家が本当に必要とする商品の提供で す。そこで、これを改善しようということで「直販」型の投信がでてきたのです。つまり、販売会社を通さずに自分で投信を売ることで運用と投資家の距離を縮 めようというのです。これはとてもすばらしいことです。当然、多くの直販投信は運用残高が集まらないので苦しんでいます。でも、何とかこの努力が報われて いくことを願っています。各社の「悪戦苦闘」がいつか、大きな成功に結び付き、日本の投信業界の質的な向上に結び付くことを祈ってやみません。

投信会社はつらいよ

2011年11月20日 10:14 岡本和久 | きほんのき| コメント(0)

機関投資家はつらいよ

2011年11月 5日 12:45

アクティブ運用に精をだす機関投資家と言えば沢山のアナリストやエコノミスト、チャーティストなどを抱え、膨大な資料を購読し、企業を訪問し、最先端の計 量モデルを用いて運用をしています。特に、年金運用の分野の競争は激烈です。個人投資家がどんなにがんばっても同じ土俵で戦っていたら、偶然にうまくいく ことはあっても、まず、機関投資家に勝てることはありません。しかし、同時に機関投資家もつらいのです。どこがつらいのかを知ることは個人投資家が機関投 資家に勝つヒントにもなります。

まず、ほとんどの機関投資家は四半期ごとにパフォーマンスをチェックされています。四半期と言えば三カ 月。どんなに長期投資目的で良い銘柄を選んでも成績は三カ月ごとに評価されます。どうしても、すぐに結果のでる投資に惹かれ易すくなってしまいます。つま り、「時間といつも競争している」のです。

しかも、自社と同じように重装備をした競争相手と戦っています。年金の運用報告会では基金の トップが並ぶなかで自社の投資成果の説明が求められます。いくら、長期的視点から良い運用をしていても、競争相手に何期も続けて負ければ解約されてしまう かも知れません。そのため、いつも、0.01%でも良いから高いリターンを狙います。

そして、評価されるときの基準は市場全体を表す指数 との比較です。つまり、10%リターンがあっても、マーケットが12%上がっていたら負けとされてしまうのです。そうすると、何よりもマーケットに負けな い運用が中心になってしまい、アクティブ運用の市場に勝つという運用がしにくくなってしまうのです。少しでも他社よりも高いリターンが欲しい、でも、マー ケットに負けるのは怖いという、まさに綱渡りを続けているのです。

さらに、ファンドマネジャーたちはいつも社内のプレッシャーのもとに仕 事をしなければなりません。トップから実務者まで、関係者全員が集まる社内の投資政策委員会で「なるほど、それは良い」と全員を納得できる運用をしなけれ ばなりません。しかし、だいたい、みんなが納得できるような運用はすでに株価に織り込まれているのでまず、うまくいかないのです。と言って、「わが道を行 く」というのはサラリーマン・ファンドマネジャーでは極めて難しいのはいうまでもありません。

機関投資家は重装備していますが、決して楽 ではないのです。とても、つらいのです。個人投資家は完全に自由です。自分の納得できる運用をできるのです。「時間と争わない」、「マーケットと闘わな い」、「欲張らない」、「考えすぎない」というリラックス投資をすることが一番、機関投資家に負けない投資法だと思います。

機関投資家はつらいよ

2011年11月 5日 12:45 岡本和久 | きほんのき| コメント(0)

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