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| 伊藤: |
投資する株式を選ぶ際に重要なことは何ですか? |
岡本 |
ある株式に例えば100万円投資するということは、その企業の100万円分のオーナーになるということです。それは同時に投資した100万円を、その企業の経営者に活用してもらっているということです。
だから結局、株式の魅力は企業の経営者の質を反映したものだと思うんですよね。財務比率などの計量的なデータはその結果が現れたものにすぎない。財務データはあくまで経営者の質を判断するための材料なのです。経営者が高い志を持って経営にあたっている企業は、社員にまで経営者の理念が浸透しているものです。自然にその会社は良い商品を開発し、良いサービスを提供する。
したがって株式を選ぶといっても特別な技術が必要なのではなく、自分が生活のなかで「良い会社だなあ」と思うところを持っていれば良いのではないでしょうか。長期に持っていればそのような企業への投資はきっと報われるはずです。
投資信託の選択について伊藤さんはどのような見方をしていますか? |
伊藤 |
投資信託を選ぶ際に重要なことが二つあると思います。ひとつは運用する人の投資哲学に共感できるかどうかということ、もうひとつはコストです。投資信託を買うということは自分に代わってプロに運用を委託するということです。だから自分が投資に対して持っているイメージと近い運用をしてくれるプロを選ばなければならない。
もう一つ注意しないといけないのは、投資信託はコストが非常に高いものが多いということです。わずかなコストの差でも長期で見ると驚くほど大きなパフォーマンスの差を産み出します。 |
岡本 |
その点、上場インデックス投信(ETF)はスグレモノですね。海外では大変な数のETFが市場にでていて、それらを組み合わせて自分にあったポートフォリオを非常に効率よく構築できるようになっています。そしてこのようにしてできたポートフォリオを定期的にモニターしてゆくことが大切です。自分のライフプランにあった投資ができていることを確認してゆくのですね。このように大きな設計図を描き、その各部分に最適な部品や素材を当てはめ、その成果を確認して行くというのが長期投資の本来のあり方です。 |
伊藤 |
こう考えてくると、証券会社の営業マンが「この投信とても人気があるのですがどうですか?」と言ってきても、「おい、ちょっと待てよ。私の設計図のなかでその投信はどこに位置づけられるのだ?」ということになりますね。岡本さんは投資をする際にもっとも大切な点は何だと思いますか? |
岡本 |
投資にはコントロールできることと、コントロールできないことがあります。リターンはコントロールできません。これがコントロールできれば苦労はない。しかし、リスクはコントロールできるのです。その手段が分散投資であり、長期投資です。また、アセット・アロケーションも、正しい知識を持って自分で決定できるわけですから、これもコントロールできる。そして、投資のコストも自分の判断でコントロールできるわけですね。
しかし、みんな、コントロールできないリターンをコントロールしようと一生懸命になっていてイライラしている。コントロールできることをきちんとコントロールして、後はリラックスしていればいいのです。私はこれを「リラックス投資」と呼んでいます。 |